和歌山市の名所、万葉ゆかりの地「番所庭園」は、「和歌山市万葉めぐりコース」で万葉びとの足跡を訪ねる海洋眺望絶佳の景勝地で、~歴史とロマン・50の美~「せとうち夢海道50景」に選定されました。雑賀崎から西に、鼻のように突き出て見えるのが番所の鼻(ばんどこのはな)です。江戸時代に紀州藩の海の防備見張り(黒船)番所が置かれていたところが、現在では庭園となり、人気の観光スポットとなっています。目の前にある男島、女島、双子島が望めるすばらしい景色で、なかでも夕日が島影に隠れる頃は、訪れた人がいつまでも海を眺めていたくなるような、素晴らしい光景です。万葉時代に、大和の都から天皇がお供の宮廷人公家達と和歌浦に行幸されました折り、藤原卿がここ番所庭園の北側に広がる海「雑賀の浦」の漁火を見て詠まれたと言われている次の歌はあまりにも有名です。
「紀の国の 狭日鹿の浦に 出で見れば 海女の燈火 波の間ゆ見ゆ」 藤原卿